日本語文法を教える (外国語としての日本語) - 動詞の活用編 その1 辞書形・て形 ※ダウンロード教材あり

外国語としての日本語文法 動詞の活用#1: 辞書形・て形

外国語としての日本語とは 皆さんはEFLやDaFという言葉を聞いたことがありますか?EFLは”English as a Foreign Language”の略、DaFは”Deutsch als Fremdsprache”の略です。日本語に訳すと、それぞれ「外国語としての英語」、「外国語としてのドイツ語」ということになります。日本人の場合、たいていの日本人は母語が英語ではないので、学校で「外国語としての英語」を勉強します。 では、国語と「外国語としての日本語」の違いはなんでしょうか?「国語」は日本語のみならず、英語で表すとNational Language、つまり、その国代表の言語、ということになります。日本人の場合は義務教育で「国語」として日本語を習います。同じように、英語が公用語の国では「国語」として英語を習い、イタリア語が公用語の国では「国語」としてイタリア語を習います。 つまり、日本語が母語ではない人が日本語を勉強する場合、「外国語としての日本語」を勉強することになります。 外国語としての日本語文法を勉強する この話はまた別の時に詳しく書こうかと思いますが、日本人が母語が日本語ではない人に日本語を教える際、深いところまで手助けしたいなら、外国語としての日本語文法を勉強することを強くおすすめします。つい最近、パートナー(ポーランド人)とこんな会話をしました。 パートナー(以下、P)「日本語が母語なら、すぐに教えられるでしょ。」私「いやいや、そう簡単な話じゃないのよ。」P「でも、いつも喋ってるでしょ?何が問題なの?」私「もちろん母語だからスラスラ喋れるけど、教えるってなると、外国語として日本語を理解しないと。特に文法とか」P「文法?なんで?」私「じゃあ、なんで”na lesie”じゃなくて”w lesie”なのか説明してみて。」P「…」私「どうしてrestauracjaはwを使う時restauracjiになる?」P「..なるほど。」私「ね?」 (ちなみに、上記”w lesie”や”w restauracji”はポーランド語文法でLocativeにあたり、名詞や形容詞には活用のルールがあります。) どうしたら文法をより簡単に覚えられるか これは私自身がドイツ語・ポーランド語等を勉強するにあたり、身をもって体験したことです。 特にポーランド語の文法は簡単じゃない…ややこしいのですが、既存の教材がよく出来ており、難しいは難しいのですが、楽しく勉強しております。 当方の体験に基づき、文法は以下の点を踏まえると、より簡単に覚えられます。 簡素化(重要)したルールを習う・覚える 例外を習う・覚える 分かりやすい表の活用(大きめ表示・シンプルなもの(重要)・色分けされているとなお良い) 練習問題での慣れ 日本語の動詞 私は基本的に新しい動詞を教える際には、まずは丁寧形(です・ます)で教えます。それは、例えば、日本に旅行した際に仮に一言二言しか話せなかったとしても、丁寧形の方がより礼儀正しい・丁寧だからです。私の生徒はヨーロッパ圏・アメリカ圏の生徒が多く、「将来、旅行した時に日本語で会話したい」という生徒が多いので、このような方針で教えています。ただ、はじめから普通形(辞書形)で勉強したいという生徒もいますので、勿論生徒によって教授法は変わってきます。 上にも書きましたが、日本語の動詞には「普通形(辞書形)」と「丁寧形」があります。私たち日本人からすると、何の気なしにこれらの動詞を使い分けていますが、外国語として日本語を学ぶ際には、丁寧形→普通形(辞書形)、あるいは、普通形(辞書形)→丁寧形の「活用」を理解し覚える必要があります。 丁寧形から覚える動詞の活用(ダウンロード教材) 動詞の活用表をダウンロードいただけます。 本「動詞活用表シリーズ」は、他シリーズ(他の活用形)も現在制作中です。また、本教材(特に「動詞活用表2」)のより効果的な使い方としては、文法単体で学習するのではなく、どのようなシチュエーションでこの動詞の活用を使うのか、例えばダイアログ中に初めて「〜て形」の文型が出てきた際に合わせて学習すると、より覚えやすくなります。

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楽しい授業作りのヒント#1: 絵の活用 - 漫画自作ツールStoryboardThatの紹介 | Online lesson planning ideas | Class making Tips - Let's use pictures

楽しい授業作りのヒント#1: 絵の活用

私が楽しいオンライン日本語レッスンを作るために心がけていることの一つに「コントラストを意識する」というのがあります。映画や曲のように、ずっと同じ”調”だと、正直つまらなくて内容も頭に残りづらいです。ですから、私は授業内、特に「初心者向けコース」では、様々なアクティビティを組み合わせて授業を構成するようにしています。 絵や写真は楽しい言語学習のための最強ツール 実は、言語学習だけではなくて、デザインにおいてもそうなのですが、文字での説明は脳の処理が追いつきません。人間は、まずは視覚情報(言葉を除く、色の組み合わせや形など)からインプットしていきます。そういうわけで、私が制作しているテキスト(現在、引き続き作成中、順次公開していく予定です)では、 フルカラー版です 絵・写真をできるだけ取り入れるようにしています 各セクションがどのようなアクティビティなのかをデザインで一目でわかるようにしています 上記のような方針で作っています。 絵・写真の授業内での活用方法 絵・写真の授業内での活用方法は様々です。私の活用方法としては、主に 絵を生徒に説明してもらうこれは、初級〜中上級の生徒まで活用可能です。 例えば初級の場合、クラス内で色名を使った練習をする時、先生がある絵・写真を見せて「これは何色ですか?」と質問して生徒が色名を答えるといったことも可能です。 また、中上級の生徒の場合、写真を見ながらディスカッションをすることもできます。 ゲームの素材として使用するゲームは種類がたくさんありますので、ここではどんなゲームかは割愛します。 漫画を活用する単にストーリーのイメージを沸かせるための補助素材としてだけでなく、例えば、「この状況だとどんな会話ができるだろうか」というようなことを生徒と一緒に考えたりもできます。 漫画自作ツール StoryboardThat https://www.storyboardthat.com/ 無料で使用できるこのツール、かなりお世話になっています。4コマ…ではありませんが、無料会員は3コマ、6コマが作れます。私は大抵6コマで作成しています。キャラクターや背景など豊富で、ポーズもカスタマイズできます。無料会員の場合には、低画質の画像、またはウォーターマーク入りの画像をダウンロードできます。私は高画質の画像を使用したいので、先生用アカウントを使用しています。ちなみに、先生用アカウント(有料)だと、コマ数を増やすこともできますし、自作した漫画を色々な形式でダウンロード・印刷が可能です。(ウォーターマークなし) *詳しくはStoryboardThat公式サイトの料金ページを参照してください。 StoryboardThatを使った例 StoryboardThatを使った一例をご紹介します。 Case1: 買い物のロールプレイ練習(初級) 値段を聞く練習や、自分の買い物メモを見ながら店員と会話をする練習です。生徒がお客さんで、先生が店員の役をします。セリフは少しアレンジしたりもします。 Case2: キャラクターになりきってセリフを考えてみる(初中級〜) 飛行機の遅延やキャンセルなど、実際にありそうなトラブルを想定して、会話の練習をします。この漫画では、ジョンさんが到着先で会う予定の友達に電話をするという設定で、話す内容を生徒に自由に考えてもらいます。 まとめ 今回は、授業をより楽しくするためのヒントとして、絵・写真の活用方法の一部を紹介しました。語学教師の皆さんのお役に立てれば幸いです! StoryboardThat公式サイト: https://www.storyboardthat.com/

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conversation class

会話クラスのトピック探し

私のオンラインクラスでは、現在「初心者向けコース」「会話コース」「音楽で学ぶ日本語コース」「ライティングコレクション」の4つのコースを実施しています。その中でも、「会話コース」は、自由に話すのか、それとも、あるトピックについて話すのか…生徒の希望によって授業内容を考えます。今回は、「会話コース」であるトピックについて話す場合のトピック探しの参考になるようなサイトを紹介したいと思います。 Engoo https://engoo.com/app/materials/en こちらは、元々は、英語学習者のために作られたWebサイトですが、会話クラスのためのトピックが豊富にあります。会話だけではなくて、写真描写のための素材もあり、色々な生徒を対象に活用できそうです。 Conversation Questions for the ESL/EFL Classroom (ESL/EFLクラスのためのトピック) http://iteslj.org/questions/ こちらは英語のサイトになりますが、英語の会話クラスのためのトピックのアイデアのページです。会話ということに重きを置いているので、質問の種類がとにかく豊富です。Engooのようにレベル分けはされていませんので、どの質問が生徒さんのレベルに合っているかは、自分で考える必要があります。 ひろがる https://hirogaru-nihongo.jp/ このサイトは、会話のトピックのための質問があるわけではありませんが、テーマごとに記事がいくつかあります。どの記事も、日本の文化という視点で興味深いものとなっております。また、日本語学習者用に作られているので、難しすぎない内容で、このサイトをそのまま授業に活用できます。生徒さんの自主学習としても使えるでしょう。 NHK NEWS WEB EASY https://www3.nhk.or.jp/news/easy/ こちらは、NHKが日本語学習者向けに作成したニュースのサイトです。時事ネタに興味のある生徒さんに使えます。内容によってはA1-A2レベルの生徒さんにはあまり向いていないこともあります。 まとめ トピックについて話す場合に限りませんが、「はい/いいえ」の質問だけではなくて「会話」ができるような質問を考えることが重要です。なぜ?どうやって?どう思いますか?どうですか?このような質問を投げかけることで、生徒さんの考えや思い・意見を引き出します。いかがでしたでしょうか?会話クラスのトピック考案の際の参考になれば幸いです。

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